子供手当てが悪用されるとか言う人が沢山います。 また自民党の田村憲久議員なども「偽装養子を作るシンジケートが出来る」などと仰っています。
2010/3/5 衆議院厚生労働委・田村憲久(自由民主党・改革クラブ)5/5
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9928944
しかしそれは心美しい、途上国の人々への誹謗中傷です。
子供手当てで悪用なんか有り得ません。 そんな事をする必要は無いのです。
なぜなら多くの途上国では、冷酷な日本の核家族ではなく、拡大家族や家父長制が残っています。 また部族社会などでの相互扶助も盛んです。
だから一人の高所得者がいれば、その人全ての親類縁者、同族、同郷の人の面倒を見ます。 その数がときには数百人にもなります。

例えばオスマン・サンコンさんが少年時代の自伝(サガタラ)を読むとそのような社会が良くわかります。
サンコンさんはギニア共和国の地方都市で生まれ育ちました。
サンコンさんの父上はその都市の名士で、かなり裕福な方でした。
父上は敬虔なイスラム教徒です。 奥さんはオスマン・サンコンさんの実母を含めて4人いました。 そして兄弟は総勢32人いました。
これだけでも大変な大家族ですが、サンコン家には学校へ行くため田舎から出てきた子供達や、その他収入や職のない親類縁者など30~40人がいつも「居候」していました。
この人達全部がサンコン家の屋敷内に住んでいたのです。
更にこの他に近所に家があるけれど、昼間だけサンコン家に来て食事をすると言うサンコンさんの言う「昼間の居候」が30~40人いました。
この全員をサンコンさんの父上が扶養していたのです。

また父上は非常に教育熱心で、毎夜この子供達を全員集めて勉強させました。(学習塾みたい!!) お陰でサンコンさんはじめ子供達は皆、素晴らしい学業成績でした。 またその他の躾をしっかりとしておられた事は言うまでもありません。
このような父上ですから近隣の人々からも非常に尊敬されており、またサンコンさんも父上を心から敬愛しておられました。
そしてこの部族社会のお陰で、父上が亡くなって家族の収入が途絶えると、サンコンさん達兄弟は、親類縁者の家に「居候」して、自分の収入は全部実家に仕送りして、弟妹達を扶養しながら大学を卒業する事ができたのです。

さて子供手当てに戻ります。 今回衆議院を通過した子供手当て法案では、支給要件は児童手当と同じです。
児童手当
第四条 児童手当は、次の各号のいずれかに該当する者が日本国内に住所を有するときに支給する。
一 次のイ又はロに掲げる児童(以下「支給要件児童」という。)を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母
イ 三歳に満たない児童(月の初日に生まれた児童については、出生の日から三年を経過しない児童とする。以下同じ。)
ロ 三歳に満たない児童を含む二人以上の児童
二 父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない支給要件児童を監護し、かつ、その生計を維持する者
三 児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母であつて、父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない児童を監護し、かつ、その生計を維持するもの。
ただし、これらの児童が支給要件児童であるときに限る。
2 前項第一号又は第三号の場合において、父及び母がともに当該父及び母の子である児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするときは、当該児童は、当該父又は母のうちいずれか当該児童の生計を維持する程度の高い者によつて監護され、かつ、これと生計を同じくするものとみなす。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46HO073.html

簡単に言えば父母だけでなく、父母に変わって子供を「監護」、つまり子供を扶養し面倒を見ている人には、子供手当てが支給されるのです。
これだとこのサンコンさんの父上のような方は、実子であるサンコン兄弟だけでなく、サンコン家で暮らす子供達は全員の子供手当てを貰う事ができます。
違法でもなんでもありません。 それどころか本当に貧しい親類縁者を助ける賞賛するべき行為です。
サンコンさんの父上は相当に裕福な方ですが、大富豪ではないので居候の数も60人~80人だったのです。 もっと裕福な人なら、その数ももっと増えます。
だから地方自治体の職員が、子供手当て100人分の申請を出されて仰天して、現地へ行って確認しても、全然違法性は見つかりません。
それどころか「あの方は大変素晴らしい方です。 イスラム教徒の鑑です。」と言う絶賛の声を聞くばかりでしょう。
そして100人分の子供手当てを支給するしかありません。

そしてそのような賞賛を受けた人は、当然ですが自分の扶養能力が許す限り子供達を引き取ります。 だからいずれ全部族、全地域の貧しい子供を「監護」する事になります。
民族の伝統に従って貧しい子供達を「監護」するために子供手当てを使うのですから、子供手当ての悪用ではありません。
善用そのものなのです。
こうして日本に地方自治体がアジアやアフリカの地方の子供を全部に子供手当てを出すことになります。
違法行為なら拒否できますが、完全に合法ですからどんなに審査を厳格化しても拒否できません。
そして日本式の核家族を前提にして、それに適合しない場合の支給を拒否をすれば、きっとアジアやアフリカの伝統文化を否定したとして問題になるでしょう。
また養子や「監護」をしていると言う証明書等が、国家で発行した正式の物であるにも関らず、それを日本が承認しなければ外交問題になります。
自国の伝統に従って子供を「監護」している人々に、その祖国がその証明を拒否しなければならない理由はありません。 そのような証明書をどれほど乱発しても、その国の政府も国民も困ることは何ももないのです。
それどころか外貨が入り、子供の貧困が解消される素晴らしい話ですから、日本いる自国民の為ならいくらでも出してくれます。

鳩山内閣はこの法案の外国人の外国にいる子供への支給要件は、23年度には見直すと言っています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100310/plc1003101106005-n1.htm
しかしそんな事できるんでしょうか?
元々児童手当の国籍条項を取り払ってから30年も放り出してあったのは、一度手当てを貰うとそれが権利となってそれを剥奪するのが難しかったからです。
途上国とすれば、日本が自国の子供を養ってくれるのは大歓迎ですから、支給を停止するとなると、国連その他で騒ぎ立てることになると思います。
子供手当ては悪用されるから大変なのではありません。
善用すると世界中の子供を日本が養うシステムだから大変なのです。


by 河童工房【’◇’】
動物を殺す その3